地方都市(田舎エリア)における不動産売却の難しさは、近年顕著になっています。

その背景には、以下の要因が挙げられます。

  1. 人口減少と高齢化

地方都市では、全国的な傾向と同様に、人口減少と高齢化が進行しています。特に、若年層の流出が著しく、都市部への人口集中が進んでいます。人口減少は、住宅需要の低迷を招き、必然的に不動産売却の難しさにつながります。高齢化社会においては、相続物件の増加も見られますが、高齢者向けのコンパクトな住居ニーズが中心となるため、必ずしもすべての空き家を解消できるわけではありません。

  1. 経済の停滞

地方都市の多くは、経済活動が都市部に比べて低迷しています。雇用機会が少ないことや、賃金水準が低いことが、地方移住や定住を阻害する要因となっています。経済活動の停滞は、住宅需要の低迷だけでなく、空き家率の上昇にもつながります。

  1. 交通アクセスの不便さ

地方都市によっては、都市部へのアクセスが不便な場合があります。公共交通機関の本数が少ない、車での移動時間が長いといった課題は、居住地としての魅力を低下させ、不動産売却を難しくする要因となります。近年では、リモートワークの普及により、立地条件の制約が緩和される側面もありますが、交通アクセスの良さは依然として重要な要素の一つです。

  1. 建物の老朽化

地方都市の住宅は、築年数が経過しているものが多く、老朽化が問題となっています。耐震性や断熱性などの性能が低いだけでなく、バリアフリー設備が整っていないなどの課題も抱えています。老朽化した建物は、購入希望者にとって魅力的に映らず、売却価格の低下や売却活動の長期化を招きえます。

  1. 空き家問題

近年、地方都市では空き家問題が深刻化しています。空き家は、地域の治安悪化や景観の悪化などの問題を引き起こすだけでなく、不動産市場全体の活性化を阻害する要因にもなります。空き家の増加は、競争相手が増えることを意味し、個々の物件の売却をより困難なものにします。

6.建築原価の上昇

建築資材高騰:2024年4月14日最新情報

建築資材価格は、2020年中頃から上昇基調にあり、2022年に入ってからさらに急騰しています。2023年4月以降も、幅広い資材で上昇が続いており、住宅や公共事業などの建設コストに大きな影響を与えています。

最近の動向

2023年3月の建設総合指数は、前月比0.0%下落しましたが、前年同月比では3.2%上昇しています。
資材別では、木材が前月比1.7%上昇、鉄鋼が同0.9%上昇、コンクリートが同0.1%上昇など、多くの資材で値上がりが続いています。

高騰の背景

建築資材高騰の背景には、主に以下の要因が挙げられます。

ウッドショック: 北米を中心とした木材需要の増加と供給の制約により、木材価格が大幅に高騰しています。
アイアンショック: ロシア・ウクライナ戦争や中国の鉄鋼輸出抑制の影響で、鉄鋼価格も高騰しています。
ロシア・ウクライナ戦争: 戦争に伴う経済制裁やエネルギー価格の高騰により、幅広い資材の価格が上昇しています。
コンテナ料金の上昇: コロナ禍の影響による物流の混乱や、中国のロックダウン政策の影響で、コンテナ料金が大幅に上昇しています。
円安: 円安ドル高の影響で、輸入資材の価格が上昇しています。
人件費の上昇: 人手不足の影響で、建設作業員の賃金が上昇しています。

これらの要因が複合的に作用し、地方(田舎エリア)都市における不動産売却が難しくなっているのかと存じます。

コメント